英国のゲラント・トーマスが初優勝…フルームからエースを託されて快挙
【パリ(フランス)山口和幸】スカイのゲラント・トーマス(英国)が初めての総合優勝を達成した。開幕時は4年連続5度目の優勝を目指したチームメートのクリストファー・フルーム(英国)のアシスト役だったが、序盤から常に上位でゴールする安定感を見せ、アルプスの第11ステージで優勝して首位に。翌日も連勝し、フルームからエースの座を譲られた。
英国勢の優勝は2012年のブラッドリー・ウィギンス、2013・2015〜2017年のフルームに続く6回目。すべて英国籍のスカイに所属する選手。
これまで助けてくれたGに恩返ししたい
フルームの1つ年下のトーマス。2007年にバルロワールドでプロデビューし、ツール・ド・フランス初出場を果たした。フルームはその年コニカミノルタにいたので、初出場はバルロワールドに移籍した2008年だった。チームメートになった2選手は近くに住み、一緒に練習をする仲になった。
先に頭角を現したのはフルーム。トーマスは親友のアシスト役として献身的な走りに徹した。この信頼関係が円滑なエース交代劇を実現させた理由だ。「これまでG(トーマスの愛称)にどれだけ助けられたことか。今度はボクがその恩返しをしたい」とフルームは、大会最多タイの5勝目に固執する気持ちを捨てた。他チームのライバルはよくあるチーム内の不仲を期待した。フルームにはチームエースのウィギンスと衝突した過去があったからだ。
「その件はボクはよく分からない。でもフルーミー(フルームの愛称)との関係に心配することなんてないよ」とトーマスは一蹴。そしてその言葉は真実だったようで、トーマスが代わってエースとなり初優勝した。
「ボクがマイヨジョーヌだって? それは夢だったかも知れないが、まさか手に入れることができるなんて考えたこともなかったよ」
パリへの凱旋パレードでは英国旗ではなく出身地ウェールズの旗を背負ってペダルをこいだ。
⚫関連ニュース
●4賞ジャージ
■マイヨジョーヌ(個人総合成績)ゲラント・トーマス(英国、スカイ)
■マイヨベール(ポイント賞)ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
●マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ)
□マイヨブラン(新人賞)ピエール・ラトゥール(フランス、AG2Rラモンディアル)
コメントを投稿するにはログインしてください。