7月29日 第21ステージ ウイユ〜パリ・シャンゼリゼ 116km

英国のゲラント・トーマスが初優勝…フルームからエースを託されて快挙

マイヨジョーヌのトーマスを祝福するフルーム © ASO

【パリ(フランス)山口和幸】スカイのゲラント・トーマス(英国)が初めての総合優勝を達成した。開幕時は4年連続5度目の優勝を目指したチームメートのクリストファー・フルーム(英国)のアシスト役だったが、序盤から常に上位でゴールする安定感を見せ、アルプスの第11ステージで優勝して首位に。翌日も連勝し、フルームからエースの座を譲られた。

英国勢の優勝は2012年のブラッドリー・ウィギンス、2013・2015〜2017年のフルームに続く6回目。すべて英国籍のスカイに所属する選手。

シャンゼリゼに選手たちが到着した瞬間を見計らってフランス空軍が凱旋門からコンコルドにかけて飛行 © ASO

これまで助けてくれたGに恩返ししたい
フルームの1つ年下のトーマス。2007年にバルロワールドでプロデビューし、ツール・ド・フランス初出場を果たした。フルームはその年コニカミノルタにいたので、初出場はバルロワールドに移籍した2008年だった。チームメートになった2選手は近くに住み、一緒に練習をする仲になった。

先に頭角を現したのはフルーム。トーマスは親友のアシスト役として献身的な走りに徹した。この信頼関係が円滑なエース交代劇を実現させた理由だ。「これまでG(トーマスの愛称)にどれだけ助けられたことか。今度はボクがその恩返しをしたい」とフルームは、大会最多タイの5勝目に固執する気持ちを捨てた。他チームのライバルはよくあるチーム内の不仲を期待した。フルームにはチームエースのウィギンスと衝突した過去があったからだ。

「その件はボクはよく分からない。でもフルーミー(フルームの愛称)との関係に心配することなんてないよ」とトーマスは一蹴。そしてその言葉は真実だったようで、トーマスが代わってエースとなり初優勝した。

「ボクがマイヨジョーヌだって? それは夢だったかも知れないが、まさか手に入れることができるなんて考えたこともなかったよ」
パリへの凱旋パレードでは英国旗ではなく出身地ウェールズの旗を背負ってペダルをこいだ。

1836年7月29日、ナポレオンの命によって建設されたエトワール凱旋門が完成した日、英国のゲラント・トーマスが凱旋 © ASO

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●4賞ジャージ
マイヨジョーヌ(個人総合成績)ゲラント・トーマス(英国、スカイ)
マイヨベール(ポイント賞)ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ)
□マイヨブラン(新人賞)ピエール・ラトゥール(フランス、AG2Rラモンディアル)

マイヨジョーヌを着用してパリに凱旋したフルーム。2016ツール・ド・フランス © ASO/A.Broadway

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